森田利一編
御座の方言集   「御座学教室」校訂&発行


一般的特徴

○セをシェ、ゼをジェと訛る(志摩全般の特徴)    例:先生→シェンシエイ
○エをィエと訛る。(志摩全般の特徴)
○ワをゥワと訛る。(志摩全般の特徴)         
(但し上記三つは現在では在住の人でも分からないほどになってきている。
  従って表記は一部を除き概ねセ、エ、ワに統一した。)
○ワをアと発音する場合もある。  例:マワス→マアス
○ウで始まる言葉はウがンに変わる場合がある。    例:ウマナイ→ンマナイ
 この例では更に転じてンモナイのように語尾にあるア段がオ段によく変わる。
○ウとオを混同する場合が多い。(『地誌』に記載)
○アはヤと訛る場合がある。 例:…あい→…ヤイ
○促音(っ)の入った標準語はそれがとれる場合がある。例:行った→いた
○接尾語としてのカレがつくと反意語的になる場合かある。
 (その場合語尾はオ段によく変わる。)   例:行く→行こカレ
○接尾語としてのカレがつくと命令的になる場合がある。
 (その場合語尾はア段+ンによく変わる。)      例:行く→行かんカレ
  (又カレはケーに転じることもある。)      例:行く→行かんケー
○接尾語としてのワレがつくと強調的になる。) 例:行く→行くワレ
                          さらに→行くアレ・行カレ
○形容詞語頭の後は促音になる場合多い。     例:おおきい→オッキィ
○イで終わる形容詞が述語的に使われる場合、イが省略されることが多い。
○名詞等の一部語尾は長音になる場合がある。   例:蚊(か))をかアなど
○動詞の語尾が「ている」の時、原則としてイ抜きになる。
                         例:「見ている」→「見てる」
              さらにトンに変化する。 例:見ている→見トン
   「ていた」の時も原則としてイ抜きになる。例:「見ていた」→「見てた」               さらにトタに変化する。 例:見ていた→見トタ
○動詞の「いく」「いう」の「い」は「ゆ」に変わる。  例:いく→ゆく


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